*栄養士コラム*良かれと思ってやったことだけれど
トウモロコシの皮むき体験
夏真っ盛り、毎日暑い日が続いています。
眩しいおひさまの下で育った夏野菜が、保育園の給食にもたくさんでてきています。
先日、子どもたちとトウモロコシの皮むきをしました。
給食では粒の状態で出てくることが多いトウモロコシ。
皮付きのトウモロコシを前に「何だろう!?」と不思議そうな顔をしたり、恐る恐る手を伸ばしては引っ込めたり、子どもたちの様々な表情に私も笑ってしまいました。
「重たい!」「(皮が)ザラザラ~」「おひげがいっぱい!」
感触を楽しんでから、さぁ皮むき開始!
分厚い皮は思うように剥けない子もいましたが、黄色い実が少し見えてくると、大喜び!
一生懸命最後まで皮むきをして、おやつに焼きトウモロコシにして食べました。
自分でむいたトウモロコシは格別においしかったようです!
・・・と、楽しく終わった皮むき体験ですが、実は給食室でこんなことがありました。
「皮むき面倒でしょ!」子どもたちが剥くなんて知らずに
いつもお世話になっている八百屋さん。
泥付きのごぼうを洗って納品してくれたり、絹さやの筋を取ってくれたり、とても優しく親切で、いつも助かっています。
その八百屋さんが野菜を納品に来た時、
額に汗を滲ませて笑顔で一言
「トウモロコシ、皮むき面倒でしょ!今日は時間があったから皮むいておいたからね!」
忙しそうに帰っていく背中を見送りながら、
ふと目に入ってきた黄色いおいしそうな実・・・・
『あ~っ!皮がない!!!!!』
そう!子どもたちにむいてもらおうと思ったトウモロコシの皮
親切な八百屋さんは【良かれと思って】むいてくれたのです。
忙しい時にはとても助かりますが、
予定していた皮むきは急遽次回に変更!
八百屋さんには『今度、子どもたちと皮むきをします』と伝え、皮付きの納品をお願いしました。
良かれと思ってやったことでも
【良かれと思って】その時は気をきかせて、親切心で、といった思いからの行動ですが、
ついつい【良かれと思って】やってしまっていることって意外と多いと思います。
私も以前、お散歩の準備でなかなか靴下を履けない子を見て、
【良かれと思って】手伝ってしまい「(自分で)やる!やる!」と大泣きされたことがありました。
「早く靴下を履いてお散歩に行きたいかな」という私の思い込み=良かれと思っての行動でしたが、自分でできることは、自分でやりたい!子どもの思いよりも、自分の気持ちを優先してしまった失敗談です。
現場の栄養士として、統括栄養士として、様々な人と関わる中で、本当に相手のためになっているのか、自己中心的な考えになっていないか、一度冷静に自分を客観視し、相手の立場を想像することは、仕事や、人間関係においても、とても重要なことだなと実感しています。
『空気を読む、察する』など、優しさや気遣いから出てきた言葉ですが、
思いは伝わらなければ意味がない。
いつでも自分の思いを言葉で伝え、相手の思いを確認しあえる関係性は素晴らしいと思います。
相手の立場に立ってコミュニケーションをしっかり取り合える、より良い環境作りに努めていきたいです。
青山支社/統括栄養士より
統括栄養士:保育園の献立作成や食育だより等の考案、食育についてや、園の栄養士のサポートなど「保育園の食」についてを担っています。